トレンドマイクロ株式会社

GAITによりエンジニアの強化すべきスキルを明確化

デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界の実現を掲げ、セキュリティ関連製品やサービスを提供するトレンドマイクロ株式会社。同社ではGAITを導入し、エンジニアのITスキルを可視化した。強化すべきポイントを明確化し、継続的にGAITを受験することで、成長を可視化できる育成サイクルを構築した。同社の取り組みについて話を聞いた。

  • 本社所在地
    〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-1-1 新宿マインズタワー
  • 資本金
    183億8,600万円
  • 従業員数
    5,258名
  • 事業内容
    コンピュータ及びインターネット用セキュリティ関連製品・サービスの開発・販売
  • URL
近年では、効率的にお客様へ対応することに加えて、お客様ごとに適したサポートサービスを提供することが求められています。エンジニアには製品だけでなく、IT環境全体のサポートができる知識やスキルが必要です(櫻井氏)

多様化するセキュリティリスクからIT環境やPC環境を守る、さまざまなセキュリティソリューションを提供するトレンドマイクロ株式会社。人事総務本部 人事部 担当部長代行の小木曾 光倫氏は、「標的型サイバー攻撃の流行や、マイナンバー制度のスタートなどにより、企業においては今まで以上にセキュアな情報の取り扱いが求められています」と話す。加えて、個人のセキュリティ環境も大きく変化している。 セキュリティエキスパート本部 コンシューマテクニカルサポート部 部長代行の櫻井 勉氏は、「近年は、ウェアラブル端末や情報家電など、さまざまなデバイスがインターネットに接続されるようになり、新しい脅威も生まれています」と語る。 PCを含めたIT全体を取り巻く環境が変化し、脅威が多様化する中で、セキュリティソリューションのサポートに対するニーズも変化してきていると櫻井氏。「近年では、効率的にお客様へ対応することに加えて、お客様ごとに適したサポートサービスを提供することが求められています。エンジニアには製品だけでなく、IT環境全体のサポートができる知識やスキルが必要です」と語る。

人事総務本部 人事部
担当部長代行
小木曾 光倫氏
セキュリティエキスパート本部
コンシューマテクニカルサポート部
部長代行
櫻井 勉氏
セキュリティエキスパート本部
エンタープライズテクニカルサポート部
ソリューションエキスパートチーム シニアトレーナー
藤原 薫氏

エンジニアの今持っているスキルを可視化したいということがGAIT導入の大きな理由です

当社ではエンジニアの希望を尊重し、キャリアアッププランを押しつけるのではなく、自らで自身のキャリアを考えることができるように支援しています。エンジニアがキャリアを考える際や、我々がアドバイスする際に効果的な指標となるのがGAITです(小木曾氏)

同社のセキュリティエキスパート本部は、お客様の課題解決を技術的にサポートする部門だ。製品導入前や導入後の両面で、企業や個人を支援するエンジニアが所属している。セキュリティエキスパート本部 エンタープライズテクニカルサポート部 ソリューションエキスパートチーム シニアトレーナーの藤原 薫氏は、「フルスタックなITスキルをベースに持ちつつ、製品知識や様々な脅威、さらにお客様の環境についての理解が必要です」と、エンジニアに求められるスキルについて話す。 セキュリティエキスパート本部では2013年、エンジニアを継続的に育成する取り組みの一環として、「GAIT」を導入した。その経緯について櫻井氏は、「自分の強み、弱みがどこにあるのかを理解することが、成長する上では必要不可欠となります。それぞれのエンジニアの今持っているスキルを可視化したいということがGAIT導入の大きな理由です」と話す。 また、藤原氏はGAIT採用の理由を、「GAITはITスキル全般の知識を問う試験ですので、実際の業務になじみのない分野はあるにせよ、エンジニアに必要な要素技術が揃っています。さらに他の試験とは異なり、成績が合否ではなくスコア化されますので、受験をサイクル化することで、どのジャンルがどれくらい伸びたかなども継続的に計測することができます」と話す。 自分の得手不得手を認識し、強化すべきポイントを知り、継続的に強化していく。GAITはその最初の指標として導入された。「当社ではエンジニアの希望を尊重し、キャリアアッププランを押しつけるのではなく、自らで自身のキャリアを考えることができるように支援しています。エンジニアがキャリアを考える際や、我々がアドバイスする際に効果的な指標となるのがGAITです」と小木曾氏は話す。

グローバルに通用する人材育成に注力していますが、技術面の育成については今後もGAITを活用していきます

セキュリティエキスパート本部では、導入以降、毎年GAITを実施しており、2014年には台湾のテクニカルサポート部門のエンジニアも受験しているという。「2014年からはチーム全員が受験しています。1年で100点以上も点数が上がったエンジニアもいます。GAITは実際の業務で利用することの少ない分野の試験もありますが、知識として理解しておくことはITエンジニアとして必要であると考えています。当社ではGAITを通して、こうしたエンジニアスキルの向上において積極的に取り組む自己研鑽を期待しています」と櫻井氏は述べる。 エンジニア育成サイクルの第一歩としてITスキルの可視化を実現した「GAIT」。成長を確かめる指標としても利用され、今後も同社のエンジニア育成サイクルの一端を担っていく。小木曾氏はGAITに対する評価を、「エンジニアに求められるITスキルを可視化できる、非常に良いツールです。当社では近年、グローバルに通用する人材育成に注力していますが、技術面の育成については今後もGAITを活用していきます」と話す。 最後に今後のエンジニア育成についての展望を聞いた。「自分が今どういったスキルに長けているかを認識し、それを継続的に強化しながらエンジニアとしての強みを2つ、3つと増やしていくことが大切です。GAITを利用して、さらにスキルの幅を広げてほしいと考えています」と櫻井氏は語った。

※今回お話を聞かせていただいた方々の社名並びに所属並びに役職は、取材当時のものです。