三井情報株式会社

GAITによるスキルアッププログラムを実現

ICTサービスの提供を通じて、顧客の情報システムをインフラからアプリケーションまでトータルに支援する三井情報株式会社。同社ではGAITを導入し、エンジニアのITスキルを可視化するとともに、e-Learning、集合研修を活用することで、エンジニアのスキルアップを図っている。クラウド時代の「フルスタックエンジニア」を育成する同社の取り組みについて話を聞いた。

  • 本社所在地
    東京都港区愛宕2-5-1 愛宕グリーンヒルズMORIタワー
  • 資本金
    41億13百万円
  • 従業員数
    1,849名
  • 事業内容
    コンピュータ及び情報通信システムに関する各種ソフトウェア、ハードウェア、システム等の調査、研究、コンサルティング、企画、設計、開発、製造、販売、運用、保守、並びにデータセンターサービスの提供、付加価値通信サービスの提供、その他
  • URL
GAITはクラウド時代に必要な主要7分野を網羅した診断です。GAITが提供する試験分野が当社の目指すフルスタックエンジニアという方向性と合致したことが、導入の大きな理由です(水谷氏)

クラウドの進展により、エンジニアに求められるITスキルセットが変わりつつある。三井情報株式会社 CTOオフィス オフィサーの水谷 義忠氏は、「クラウド時代の今、エンジニアには各分野のレイヤを超えたITスキルが求められています。当社ではエンジニアを『フルスタックエンジニア』と位置付けて、育成に力を入れています」と語る。

三井情報株式会社(以下、MKI)は、ITを中心とした新たな技術とサービスを自ら開発し、顧客の価値提供につながるビジネスを創出する「ICTサービスクリエイター」だ。提供するサービスは、システムやプラットフォームのインテグレーション、データセンター、クラウドサービスなどICT全般に及び、コンサルティングから開発・構築、運用・保守に至るトータルなサービスで、顧客の経営戦略や業務基盤を総合的にサポートしている。

フルスタックエンジニアを育成するためには、エンジニアが持つITスキルの把握が欠かせない。MKIでは以前より、さまざまなITスキル診断について検討を進めてきた。「従来、当社ではITスキルの5段階評価を実施してきましたが、より第三者視点でエンジニアのスキルを『可視化』すべく、ITスキル診断を検討し、最終的にたどり着いたのが日本サード・パーティの『GAIT』でした」と水谷氏は振り返る。

三井情報株式会社
CTOオフィス
オフィサー
水谷 義忠 氏
三井情報株式会社
業務支援室
室長
大槻 正樹 氏

見える化に加え継続的なスキル向上を進めることが大切です

基礎学習は座学だけではなく、ハンズオンで身に付けることも大切です。手を動かして経験できる分野の集合研修を中心に実施していています(水谷氏)

他のITスキル診断と比較して、GAITには優れた部分がいくつかあったと水谷氏は述べる。「GAITはクラウド時代に必要な主要7分野を網羅した診断です。GAITが提供する試験分野が当社の目指すフルスタックエンジニアという方向性と合致したことが、導入の大きな理由です」と水谷氏。加えて、技術やトレンドの変化に合わせて、GAITがアップデートされることも採用の1つの要素となった。GAITは常に最新の技術やトレンドに基づいた診断を行うことができる。

そして、GAIT採用の大きな決め手となったのは、育成=継続的なスキルアップをサポートするという点だ。同社 業務支援室 室長の大槻 正樹氏は、「スキルを可視化して終わりではなく、その先をどうするのかを考えることが大切です。当社ではGAITに加え、『e-Learning』と『集合研修』を実施することで、継続的なスキルアップを行っていくプログラムを構築しました」と語る。GAITにより現状のスキルレベルを把握し、その後に各分野の学習を行うことで、基礎力を向上させる狙いだ。また、より高度な技術と専門性は基礎技術の上にあるものと考えている。
2015年5月、GAIT受験が実施された。受験者は全エンジニアで約800名。「初めての受験でしたので、評価軸は設けず、まずは個々のエンジニアが持つ強みと弱みを把握するということが目的となりました」と水谷氏。

そしてGAITの結果を得て、e-Learningが実施されている。大槻氏は、「GAITでは、獲得点数毎に『Gold』、『Silver』『Bronze』の認定制度が有り、今回『Bronze』のボーダーラインを設定しているので、各要素技術分野で得点率30%未満のエンジニアはe- Learningが必須、30%以上のエンジニアは自主学習という形で受講しています」と話す。自主学習については就業時間外での受講が原則となっており、休日に自宅などで受けているエンジニアもいるという。

日本サード・パーティによる集合研修も実施されている。水谷氏は、「基礎学習は座学だけではなく、ハンズオンで身に付けることも大切です。手を動かして経験できる分野の集合研修を中心に実施していています」と話す。

GAITとその後の集合研修の組み合わせを非常に高く評価しています

今回、日本サード・パーティでは、集合研修も提供した。大槻氏は、「全体を通して良い学習の機会であったいうのが受講者の感想です。業務に関わっていないと機材に触れる機会がありませんし、自分で勉強しようと思っても座学しかありません。そういう意味ではGAITとその後の集合研修の組み合わせを非常に高く評価しています」と語る。

GAITによるITスキルの把握、e-Learningと集合研修によるスキルアップ、そしてまたGAITでそのスキルアップを確認していく継続的な育成プログラムの構築を完成させたMKI。同社では今後もこのプログラムを活用して、エンジニアの育成を強化していく。

最後に水谷氏は、「まずは評価ということで来年GAITを受験して、スコアがどうなるかを注視していきます。ただ、e- Learningや集合研修をしっかりと受けていれば自然と結果は出てくると思います。結果が出れば、次は初級から中級へのステップアップの部分です。フルスタックエンジニア育成のため、これからも日本サード・パーティに期待しています」と展望を語った。

※今回お話を聞かせていただいた方々の社名並びに所属並びに役職は、取材当時のものです。