東芝ソリューション株式会社

広範な知識をGAITで客観評価、定期実施でチェックと育成計画に

東芝グループのSI企業として、複雑化する顧客の要望に独自の技術とサポート力で応える東芝ソリューション。ここではITのサービス化に伴い重要性が増しつつある“広範な技術知識”の有無を判断する手段としてGAITを活用。2014年6~8月に450名規模の受験を実施し、その結果をスキルチェックと育成計画に活かしている。今後も定期的に受験し、そのデータを人材教育のPDCAサイクルに組み込む計画だ。

  • 本社所在地
    神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34
  • 資本金
    23,500百万円
  • 従業員数
    4,300人(2014年10月現在)
  • 事業内容
    業種ソリューション、業務ソリューション、プラットフォームソリューション、エンジニアリングソリューションの提供
  • URL
プログラミングスキルの判断に適している診断ツールは色々とありますが、サービス化されたITの提案は、より広範な知識が必要です。その有無を客観的に評価できる手法を模索していたのです(山口氏)

ITサービス化の進展に伴い、事業モデルの再構築に取り組むSI企業が増えつつある。受託開発だけではなく、自社でSaaS等のサービスを立ち上げ、顧客に新たな提案を行うモデルへの転換が模索されているのだ。しかしそのためには、これまで以上に広範な知識が求められる。技術者の知識レベルを客観的に判断し、人材教育に反映するにはどうすればいいのか。

この課題を解決するための1つの手段として、GAITを活用しているのが東芝ソリューションである。同社は東芝グループのSI企業であり、業種ソリューション、業務ソリューション、プラットフォームソリューション、エンジニアリング(組み込み)ソリューションの4分野を柱に、コンサルティングから設計、導入、保守、運用に至るまで、幅広いサービスを提供している。

「これまでにも公的資格やベンダー資格、グループ内でスキル診断等を行っており、社員の自己申告や上長との面談も踏まえた上でスキルセットをデータベース化し、人材教育のPDCAに組み込むという取り組みを進めてきました」と語るのは、取締役 商品・技術統括部長の山口 晶嗣(やまぐち・あきつぐ)氏。しかしこれらは特定分野の知識に偏る傾向が見られると指摘する。「プログラミングスキルの判断に適している診断ツールは色々とありますが、サービス化されたITの提案は、より広範な知識が必要です。その有無を客観的に評価できる手法を模索していたのです」。

取締役
商品・技術統括部長
山口 晶嗣氏
商品・技術統括部企画担当参事 兼
人事総務部ダイバーシティ
プログラム推進担当グループ長
三好 みよ子氏
商品・技術統括部
企画担当
酒井 寛美氏

広範な知識を客観的に数値化
最新技術の迅速なキャッチアップも魅力です

最新技術へのキャッチアップが速く、スタンダード性が高いことも魅力です(三好氏)

同社がGAITに着目したのは2013年秋。商品・技術統括部 企画担当 参事の三好 みよ子(みよし・みよこ)氏が、GAITを提供するJTPの担当者と知り合ったことがきっかけとなった。「実はちょうどその頃、グループ会社の東芝ITサービスがGAIT導入を始めていました。そのこともあり、最初は情報収集のつもりでお話を伺っていたのですが、これはスキルチェックと育成計画に有効だと気づいたのです」(三好氏)。

GAIT導入に向けた取り組みに着手したのは2014年1月。翌月には、数名のエンジニアを対象にトライアル受験とアンケート調査を実施。その結果「IT全般の広範囲な知識を客観的に数値化できる」(山口氏)と評価したと言う。これに加えて三好氏は「最新技術へのキャッチアップが速く、スタンダード性が高いことも魅力です」と指摘する。

その後、社内で説明会を開催し、2014年6~8月に3回に分け、約450名規模でGAIT受験を実施。対象者は入社1、3、5、7、10、15、20年目の全技術者と、対象者以外でも希望する社員は受験することになった。

その運営を担当した商品・技術統括部 企画担当の酒井 寛美(さかい・ひろみ)氏は「私は5月に産休から復帰したばかりだったのですが、JTPの担当者が丁寧にサポートしてくださったので、安心して開催に向けたプロセスを進めることができました」と振り返る。

受験結果は各受験者にフィードバックされるほか、社内のスキルデータベースにも記録され、他のデータとのクロス分析等が行われている。クロス対象となるデータは、年代別、職種別、事業部別、各種資格の有無等、幅広い。また今回はJTPが提供する、同業他社を含む業界平均データとの比較分析サービスを利用したが、これも自社の傾向を分析する上で有効だと言う。

英語や中国語でも受験可能なのでダイバーシティの推進にも有効です

今後はこれにGAITの得点が加わることで、知識レベルをより客観的に判断でき、キャリアパスや人材教育プランの参考になると期待しています(山口氏)

さらに三好氏は「GAITはダイバーシティの推進にも有効」と指摘する。「今回はグローバル採用の社員も受験していますが、GAITは英語や中国語でも受験できます。日本語のハードルを気にせず、中立的に実力を判断できるのがいいですね」。

同社では今後も年に1回のペースで、今回と同様の技術者を対象に、GAITを実施する計画だ。つまり若手技術者は2年に1回のペースでGAITを受験することになる。「入社10年目までの社員の教育は会社の義務だと考えていますが、2年毎に知識レベルを確認することで、スキルチェックと育成計画が可能になると考えています」(山口氏)。

グループ内の他の企業にGAITを展開することも視野に入っている。「技術者の新人教育はグループ全体で行っており、スキルデータ項目もグループ内で共通化しています」と山口氏。「今後はこれにGAITの得点が加わることで、知識レベルをより客観的に判断でき、キャリアパスや人材教育プランの参考になると期待しています」。

※今回お話を聞かせていただいた方々の社名並びに所属並びに役職は、取材当時のものです。